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海外諸国の認知症事情

幸せそうな中高年外国人夫婦

日本では、2025年には認知症患者が高齢者の約5人に1人という割合になっていくという予想を厚生労働省が発表しました。

では現在、諸外国における認知症事情とはどのようになっているのでしょう?
高齢化現象は何も日本に限ったことではありません。
医療の進歩と共に人間の寿命は劇的に伸びています。

女医イメージ

今や加齢や高齢と深い関係にあることが分かっている認知症は、世界中でも注目されている病気のひとつとなっています。

世界規模で増加の一途

「国際アルツハイマー病協会(Alzheimer's Disease International:ADI)」という機関があるのをご存知でしょうか?

このADI国際会議が2004年に日本で開催されたことで、当時はまだ「痴呆症」という呼び名だったものを現在の「認知症」へと変えることができました。

そのADIの調査によると現在、世界における認知症患者は4,600万人以上だとされており、高齢化が世界中で進む現象に比例して、なんと年間1,000万人弱が認知症を発症しているというのです。

これは世界中で実に、3.2秒に1人が認知症と診断されていることになります。

この数字を踏まえた予測によると、2050年には世界中の認知症人口は1億3,150万人にまで膨れ上がるという発表がありました。
今の日本の全人口を超える数字です。

今後の認知症人口増加予想割合

1位 アジア 全人口の49%
2位 ヨーロッパ 全人口の25%
3位 北アメリカ 全人口の18%
4位 アフリカ 全人口の8%

※国際アルツハイマー病協会による

見ての通り日本を含むアジアでの認知症発症率がダントツで高くなるのが特徴的でしょう。

その理由にはアジアの中・低所得国での高齢化が予想されるのに対して、認知症やその予防法などの知識が高所得国ほどには追い付いていない実態があるようです。
認知症の根治薬が開発されるまでは、予防と知識こそが何よりの認知症への対抗手段だということを、もっと普及させていく必要があると考えられています。

一方、アフリカでの発症割合が低いのは、加齢による影響を受けるほど寿命が延びないという、もうひとつの現実があるのを見過ごせません。

諸外国の取り組み

スウェーデン

北欧諸国の社会福祉の充実は世界的にも認められるところです。
認知症に対してもスウェーデンでは日本よりも早く、高齢者への取り組みがなされたため参考になる点は多いでしょう。
認知症ケアに対する行政が果たす保証は多大です。

デンマーク

デンマークの医療システムは国民それぞれが登録制となっていて、普段のかかりつけ医から認知症専門医、ケアサービスへと連携が取れているのが特徴です。
きめ細やかな対応ができる背景には、巨額の税収に対して国民の数が少ないことが挙げられるでしょう。
認知症患者は地域で支援するという考えがあります。

イギリス

かつての大英帝国は偉大な福祉国家でもありましたが、政権の変動によって一時は医療制度さえ危うくなったことがあります。
現在は経済回復と共に、福祉政策の見直しや方向修正を経て、国家戦略として認知症ケア先進国を目指しています。
そのため、認知症に対する取り組みやケアの質の向上など大変興味深い事例に事欠きません。

アメリカ

多様な民族、多様な価値観からなっているアメリカにおいては、認知症という病気さえも「個人」のものであるという捉え方をしているようです。
認知症を発症したら自分はどうしたいのか、そうするためには何が必要かなどのプランを、家族や個人単位で考えるのです。 国は「保証する」のではなく、税金面での控除や優遇で「支援」するに留まります。

その他の海外諸国も、様々な対策を打ち立てて国民の認知症への支援に力を注いでいる様子が伺えます。

アメリカの元大統領のロナルド・レーガン氏が自らアルツハイマー病であることを公表した時の、「私は今、私の人生の黄昏に至る旅に出かけます」というメッセージは多くの人に深い感銘を与えました。

女医イメージ

このように認知症は人種や国籍を問わず、世界中の人が向き合っている病だと言えるでしょう。